物語
Ceria Fi Ixtignma - セリア・フィ・イクティグナ -
人の歴史の其れより幾何かの古から存在する世界。
その名を人は「セリア・フィ・イクティグナ」と呼んでいた。
永き刻の末、今や人々の心から忘れ去られ、その存在をも幻とされている。
だが人の知り得ぬ場所で、精霊達は今日も彼等に生命を与ゆるであろう…。
Calcite - 煌々の光 -
精霊界の中で一番最後に生まれ出でた世界ではあるが、やがて全属性だけに止まらず、人間界からも最も要される存在となる。
しかし、そうした歴史の中、己等の存在の妨げになるという理由で光と闇の間で種族を懸けた大規模な争いが始まる。
現在こそ冷戦状態であるが、それは互いの世界に多大なる欠落を負わせた。
Tektite - 永久の闇 -
最も先に生まれた世界。其処は常に閉ざされていた。
だか相対である存在が無い為に、彼らは「闇」である事を己が「個」である、意志や生きていることを自覚していなかった。それ故に、残酷残忍であり、直感だけで生ける獣の様な者が絶えなかった。
Sentiment du monde - 世情 -
カルサイトの人口は、およそ千〜二千と言われている。
彼等は自分達の歴史を誇り、自ら築き上げてきたものの継承(洸明主の原理など)にとても力を入れていた。
また、カルサイトの宮廷では200余りの光精霊が仕えている。
逆にテクタイトに生存している闇精霊は千未満と推測されている。
カルサイトと同じ様に長は存在するものの、従う者はほんの一部で、(それでも光精霊を嫌う気質は皆同じようです)個々が独立し、内争なども絶えない。
他の精霊の中には、故郷を出てクンツァイトに留まる者も居るようだが、光と闇精霊の場合、太陽と月の時間に左右されるので、中々そうもいかないよう様だ。
Kunzite - ヒトの棲まう場所 -
人の生ける土地、主に西の大地を占める国を指す。
光と風、水と炎の霊が守護すると言われる土地。
Futur et après - 未来と過去 -
光と闇精霊達には、他の精霊にはない力、「触れたものの未来と過去が見える力」を宿して生まれてくる。
過去の場合、相手に感情移入すればする程多くのものが見え、未来の場合、自分の感情によって見える未来が大きく左右される様子。
特に未来については正確ではない。
夢をみるような感覚と一緒だそうだが、彼らにとってはごく当たり前の感覚だという。
Nom - 名に記されるもの -
精霊達の中には、姓を持つ者が居る。
基本的には名しか持たない者の方が多い精霊界だが、長や精霊王を除いて姓を持つ者は、何かしら家系が人間界、または人間との因縁を持っている事を示す。
Destin de sang - 血を流す者とその運命、そして神 -
人がそうする様に、精霊もまた、神を信じ崇め奉ったと古き書に記されている。
特にテクタイトの長を始め、一部の精霊は邪神「ヴェジェラス」を崇める剰り、生け贄を捧げる様になった。
「神とてヒトを喰らうのだ」と―――…
精霊界では人を殺める事が禁じられていた。
だから彼等は同族から「其レ」を選び抜いた。
「血を流す精霊」と呼ばれるモノを。
どんな原理で生み出されたのか、未だ誰も知り得ず、精霊がヒトとの融合を図ったのか、或いは、故意に「何か」を組み込んだのか…、その解明はされていないが、紅を持つ者は闇精霊に多いという説が遺されている。
Commande et puissance - 支配する者と望まぬ力 -
「グレム・リレラー」。精霊界でその名を知らない者は居ない。
それはかつて、人と精霊と魔物が共存していた頃、「セリア・フィ・イクティグナ」に突然起こった破滅、突然現れた破壊神、異常者、天災…、様々な呼ばれ方をした者の名である。
彼は他の精霊とは違い、属性の無い力を持っていた。
その未知なる力は世界中で恐れられていたが、稀に人を癒すことも出来たと言われている。
そうした運命を背負ってしまった彼を精霊王は哀れに思い、彼を城に招き入れようと召した時、その力は王を御前に暴走してしまった。
それは精霊界だけでなく、人の世にまで破滅を及ぼした。
精霊王、全属性の長を始め、数多の精霊が決死の思いでその力を沈めた頃、彼の姿は何処にも無かった。
己が力に滅んだか、失踪したか、誰も知る由は無かった。
…しかし、その十数年後。
グレム・リレラーの力が「人間」によって引き継がれたとの噂が精霊界を轟かせた。
彼が強制的にその力を引き継がせた、その契約者の名は…。

